中学校英語の「改革の意図」とは…?
- 更新日:
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2025.6.11
お知らせ
こんにちは。名古屋本部校の深谷です。
5月に1学期中間テストが終わったのもつかの間、6月の期末テストの準備を始められる方も多いこと時期、生徒の皆さんいかがお過ごしでしょうか?
先日、クラ・ゼミの科目統括責任者、兼西尾校の校舎長である井口先生から中学生(の教科書)の文法指導カリキュラムについてこんなご質問を頂きました。
「中2の不定詞の指導の際に『It~to…』を学習するのに、それからしばらく経った中3で『It~for目的格 to…』を学習するのはいかがなものか。どうせなら一緒に学習する方がいいのでは…?」
というご質問を頂きました。なるほど、流石は井口先生!英語学習の本質に触れる美しい質問です!
この本質的なご質問に「クラ・ゼミ講師の中で一番英語に詳しい(←自称)」深谷がお答えしたいと思います。
「意味上の主語」という考え方
『It~for目的格to…』の『for目的格』は意味の上では「主語」として考えます。これを「意味上の主語」と言います。これ、意味わかります?一つ例文を出しながら説明いたしましょう。
It is important for him to study every day.
こちらの文章で私たち日本人は「for him」を「彼にとって」と訳すのが自然だと思います。確かにそれでも間違いはないのですが、ネイティブの皆さんの感覚はすこし違います。ネイティブからすると恐らくこんな感じで文を構成しています…
「It is impotant」⇒「重要だよね~」「for him to study every day」⇒「彼が毎日勉強するのは~」…て感じです。
わかりますか?「for him」を「彼が」と主語っぽくとらえ「to study~」を「勉強する~」と動詞っぽくとらえているんですね。実はこの「主語っぽく」「動詞っぽく」という感覚はこの後に登場する文法でも用います。次の文も、先程の文と同じような構成となっています。
I want him to study every day.
「I want」⇒「私は望んでいるんだよね~」「him to study every day」⇒「彼が毎日勉強するのを~」と言う感じです。
「意味上の主語」を学習する意味は?
前回の教科書改訂からこの「意味上の主語」という概念が登場しました。これによって「英文を直訳で訳す」という実直な訳し方が通用しなくなりました。これは英語が苦手で、頑張って英語の授業についていっている方には少し大変な気がします。ただ、この「意味上の主語」が感覚的にわかるようになると、英文を右から左にスルスルと意味を取ることができるのです。
It is important for him to study every day.
を従来通りの訳し方で、性格な日本語に訳そうと思うと「for him」⇒「彼にとって」「to study every day」⇒「毎日勉強することは」「It is imortant」⇒「重要だ」と真ん中から意味をとるしかありませんよね。でも意味上の主語の考え方を使うと先程ご説明した通り「It is impotant」⇒「重要だよね~」「for him to study every day」⇒「彼が毎日勉強するのは~」…と頭から順に意味をとっていけるわけです。
皆さんも聞いていらっしゃると思いますが、愛知の公立高校入試の英語は長文読解が中心となります。この長文読解に耐えられるように、そしてネイティブが捉えている感覚で英文を読むことを問われている昨今の英語学習の情勢を受けての改革かと思います。
クラ・ゼミ生の皆さん、特に中3生の皆さん!英語学習の変化を受けて入試問題問題の傾向変化と難化がみられますが、全く心配いりません!クラ・ゼミでは夏期講習で1・2年の基礎を徹適的な振り返りと、長文読解の練習をふんだんにご用意しております。
君たちの貴重な夏の学習を私たちクラ・ゼミがしっかり支えます。一緒に頑張っていきましょう!